EXHIBITION

fumiko imano

「LE FUMISTOL」

2023/7/7 Fri - 8/12 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、2023年7月7日から8月12日まで、fumiko imano展「LE FUMISTOL」を開催いたします。

fumiko imanoは、LOEWEとのコラボレーションを2018年より8シーズン連続で行うほか、自身の作品を使ってVANSのシューズをデザインするなど、ファッションとのコラボレーションでも活躍し高く評価されています。代表作は、35mmカメラで撮影したセルフポートレイトを切り貼りし、双子のモチーフに仕上げるフォトモンタージュのシリーズです。無邪気でノスタルジック、思わず微笑んでしまうようなユーモアあふれる家族写真風のイメージ。一方で、はさみで切ってつなぎあわせたラインが、それが虚構であるとはっきりと伝えています。デジタルの時代にあえて手作業でシンプルにつくられるフォトモンタージュは、プレイフルでありながら、アイデンティティについての冷静な洞察でもあり、新たな物語のための視覚言語でもあります。

imanoの作品において通底するのは旅の感覚です。一つの場所にとどまらず、常に何かを探して旅を続ける。彼女の作品はそのプロセスの記録でもあり、そこで得られる新しいイメージとの出会いによって作動する思考や感覚を大事にしています。

KOSAKU KANECHIKAで4度目の個展となる本展では、コロナ禍で世界が新しく経験したことを切り取った新シリーズ「LE FUMISTOL」を展示します。各地で外出等に厳しい制限が設定されていた2021年、彼女はパリを訪れます。その旅でimanoが出会ったのは、閑散とするパリの高級ホテルでした。コロナ禍においては、それまでの生活を支えていたものが突然揺らぎ、わたしたちはそれ以前には考えることも感じることも必要のなかったことに向き合わざるをえなくなりました。そんな存在の不安ともいうべき状況においてimanoは何に出会い、感じ、どう作品化したのでしょうか。

imanoはこの旅について以下のように綴っています。

 

2021年の1月
コロナが世界中で蔓延中にメインキャンペーンを
撮りにパリに飛行機で飛んで行った

当時は高額のpcrテストを受け
前日に全てが決まって
日本の空っぽの空港から空っぽの飛行機に乗り
空っぽのホテルにたどり着きました
いつも泊まっていたプチホテルは閉館
大きなホテルしか営業していなかったので
チョイスはふたつしかなく
外見で選んだのがLe Bristolでした

1877年からあるパリの高級ホテルで
7日間の隔離と8日間の滞在をすることになって
着いた時と7日目のpcr
食べる手段はホテルのルームサービスのみと言われ
高額のメニューを目の前に呆然とした

テレビとルームサービスとマスクをした
お掃除のおばさんたちと話しながら
zoomミーティングをして
7日を過ごした
そこに精霊のいたずらと存在も感じながら

朝食は素晴らしくパーフェクトな盛り付けとテーブルセッティングと
味で美味しくて
だけど3日目にはもう体が受け付けなくなり食べられなくなった
あのクロワッサンも
オムレツもエッグベネディクトも。。。

パスタのメニューに
Pasta for spoiled children
(甘やかされた子供達のパスタ)があり
トリュフとチーズが山盛りで
ネーミングに粋を感じた
65ユーロ

やっと外に出たら
パリはレストランもカフェも閉まっていて閑散としていて
18時には帰らないと罰金
友達たちは家でしか食べられないので
こぞって犬と遊びに来てルームサービスを頼んだ

高級な非日常体験というものも
日常になってしまえば
価値が自分の中で薄くなるというか

だけど

あんなに食べ飽きてしまった朝食も
今は自分の脳みその中で
価値を取り戻し
今までで一番最高のパーフェクトな朝食に
なっていた

コロナ明けに
朝食だけ食べに行こうと思ったら
予約でいっぱい
あんなに空っぽだったホテルが今はまたセレブたちで埋まっていて
活気を取り戻していた

あの閑散としたホテルの姿はもう存在しない

あれはコロナ期の自分だけのホテル 
Le Fumistol

 

本展は、全て新作(約35点)で構成されます。写真作品だけでなく、初めて発表するドローイング作品も展示します。この機会に是非ご高覧下さい。

 



展覧会概要

展覧会名
fumiko imano「LE FUMISTOL」

展覧会会期
2023年7月7日(金) - 8月12日(土)
2023年7月7日(金) 18:00 - 21:00 オープニングレセプション

開廊時間
11:00 - 18:00
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




fumiko imano

1974年生まれ。2歳から8歳までブラジル・リオデジャネイロで過ごす。セントラル・セント・マーチンズ美術デザイン大学でファインアートを専攻した後、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでファッション・スタイリングと写真を学ぶ。国内外での展示や雑誌などで作品を発表し続けている。「We Oui!」(2017年、Little Big Man Books)はじめ、多数の作品集を発行。LOEWEとは2018年より8シーズン連続でコラボレーションを行っている。2022年、VANSとのコラボレーションでシューズのデザインを担当。今回はKOSAKU KANECHIKAでは2019年、2020年、2022年に続き4度目の個展となる。

WORKS

  • Fleuriste/Paris/2021, 2023

  • want to go outside/Paris/2021, 2023

  • pool/Paris/2021, 2023

  • working girls/Paris/2021, 2023

  • Shining/Paris/2021, 2023

  • Seriously/Paris/2021, 2023

  • peacock/Paris/2021, 2023

  • Our first dinner Spaghetti/Paris/2021, 2023

  • bath robes/Paris/2021, 2023

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