EXHIBITION

佐藤允

「初恋2」

2023/12/9 Sat - 2024/1/20 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、2023年12月9日から2024年1月20日まで、佐藤允展「初恋2」を開催いたします。

佐藤允は、描くことによって自ら、人、そして世界を理解し、またコミュニケートしています。過剰ともいえるような緻密な鉛筆の線描写や独特の筆致によって、オブセッション、恐怖、恋愛などを描きます。見えるもの、見えざるもの。現実と非現実。それらは入り混じり、ペインティング、ドローイング、立体的な箱型のペインティング、インスタレーションなど、様々な形をとりながら溢れ続けます。

制作において、佐藤は新しさや意味を求めるといったことを目的にしてきませんでした。現代美術は「寛容の世界」であると考える佐藤にとって描くこととは、こういう人も存在していい、というある種の赦しを得ようとする行為なのだと言います。佐藤が描くものは、私たちの多くが解らないまま避けてしまったり、自分の奥に持っていても蓋をし、背を向けてしまっているものでもあるために、痛みや、あるいは時に甘美なものとして強く迫ってくるのかもしれません。

本展のタイトルである「初恋2」について、佐藤は以下のステートメントを寄せています。

 

個展の題名はいつも、ある程度作品が揃ってから考えていましたが、今回は以前から頭の中に浮かんでいた「初恋2」という言葉を展覧会名に決めてから制作を始めました。それは単なる思いつきでしたが、絵を描く度にいつもこの奇妙な言葉が頭の片隅にありました。

制作も佳境になり今、この「初恋2」は、色んなことがあるけれど、あらためて自分と、他人と向き合いたいというおもいを込めて選んだ言葉なのだとわかりました。

 

本展でメインとなるのはポートレイトです。これまで自身の中の世界を描くことが多かった佐藤は、他人を描くということで、その人物がもつ何か、あるいは力に触れ、自分の世界から出て違う方向に向かうことができるようになったと言います。痛みや闇を包み込み、希望をもみることができる、広い、「肯定」という視野を得たことは佐藤にとって、重要なターニングポイントになると言えるでしょう。
本展では新作のペインティングを約25点展示します。佐藤の新しい方向性をぜひご高覧ください。
 



展覧会概要

展覧会名
佐藤允 「初恋2」

展覧会会期
2023年12月9日(土) - 2024年1月20日(土)
2023年12月9日(土) 17:00 - 19:00 オープニングレセプション

* 2023年12月29日(金)から2024年1月4日(木)は、冬期休廊とさせていただきます。


開廊時間
11:00 - 18:00
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




佐藤允(さとう あたる)

1986年千葉県生まれ、現在は東京を拠点に制作しています。2009年に京都造形大学芸術学部情報デザイン学科先端アートコースを卒業。2011年と2015 年にギャラリー小柳で個展を開催した他、NYやブリュッセルでも個展を開催。主なグループ展に「第8回光州ビエンナーレ」(2010)、「ヨコハマトリエンナーレ2011: OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―」(2011)、「Inside」(パレ・ド・トーキョー、2014)、「INTERPRETATIONS, TOKYO‐17世紀絵画が誘う現代の表現」(原美術館、2019)、「堂島リバービエンナーレ2019」(2019)、「やんばるアートフェスティバル 2022-2023 シマを繋ぎシマを響く」(2023)、「LA MORSURE DES TERMITES」(パレ・ド・トーキョー、2023)があります。作品は高橋龍太郎コレクション、ルイ・ヴィトン・マルティエにパブリックコレクションとして収蔵されています。KOSAKU KANECHIKAでは2017年、2018年、2020年、2022年に続き5度目の個展となります。

WORKS

  • 文明
    2023

  • 誘惑
    2023

  • 2秒
    2023

  • 交換
    2023

  • 日常
    2023

  • 一人
    2023

  • ゆめ
    2023

  • 夢中
    2022

  • 破局
    2022

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