会場
パシフィコ横浜
ブース番号
B02(Galleries)
出展作家
⻘⽊豊
沖潤子
神子島巌
桑田卓郎
佐藤允
武田龍
舘鼻則孝
十三代 三輪休雪
アナ・ベナロヤ
TARWUK
KOSAKU KANECHIKAは、2026年9月11日(金)から9月13日(日)に開催されるアートフェア「Tokyo Gendai 2026」に、青木豊、沖潤子、神子島巌、桑田卓郎、佐藤允、武田龍、舘鼻則孝、十三代 三輪休雪、アナ・ベナロヤ、TARWUKのギャラリー作家10名の展⽰で参加いたします。
青木豊は、絵画の視野を広げ、世界と絵画の関係とその新しい可能性を追究する制作活動を行っています。二次元と三次元を自由に行き来するような作品や、素材の物質性や制作方法自体、そして鑑賞者の視線の動きの相互反応にフォーカスした作品。刻々と変わる絵画の豊かな表情を、時間軸で瞬間としてとらえる試み。また特に青木は一貫して光へ – 光が時間軸、鑑賞者の存在、展示空間などの環境の要素に補完され、有機的に立ち上がるような豊かさを捉え、また一方で光の存在の自明性自体を問い直すこと – アプローチしてきました。実験と新たな発見のプロセスを繰り返すことによって、青木は常に絵画そのものを再発見しています。
沖潤⼦は、⽣命の痕跡を刻み込む行為として布に針⽬を重ねた作品を制作しています。下絵を描く事なしに直接布に刺していく独⾃の⽂様は、シンプルな技法でありながら「刺繍」という認識を裏切り、観る者の根源的な感覚を⽬覚めさせます。古い布や道具が経てきた時間、またその物語の積み重なりに、彼⼥⾃⾝の時間の堆積をも刻み込み紡ぎ上げることで、新たな⽣と偶然性を孕んだ作品を⽣み出します。存在してきたすべてのもの、過ぎ去ったが確かにあった時間。いくつもの時間の層を重ねることで、違う⾵景を⾒つけることが制作の核にあります。
新潟県に生まれ、東京で育った神子島巌は、漆芸家の叔父の勧めにより、20代はじめ頃まで金属工芸を学びました。その後、1970年代にニューヨークへ移住し、現在まで数十年にわたり同地の前衛芸術シーンの中で制作活動を続けています。キャリアを通じて、絵画、彫刻、コラージュなど多様なメディアを手がけ、その卓越したデッサン力と鋭い色彩感覚によって、表現媒体の境界や、具象と抽象の隔たりを軽やかに越境してきました。いたずら心や機知、ユーモアを織り交ぜながら、日常に潜むささやかな発見に向き合い、官能性と不穏さを併せ持つ夢幻的な世界を描き出します。
桑⽥卓郎はこれまでに⽬にしたことのない、陶芸の枠を超える表現を発表し続け、ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で展覧会を開催しています。「梅華⽪」や「⽯爆」などの伝統的な陶芸の技術を独創的に表現する桑⽥の新しい視覚⾔語は、世界で⾼い評価を得ています。その核となる伝統表現は桑⽥がスタジオを構える美濃地⽅で⽣まれ、安⼟桃⼭時代に茶の湯の⽂化と共に脈々と継承されてきた“わびさび”や⾃然、不完全なものに美を⾒出した⽇本独⾃の陶芸美学です。桑⽥はその表現を現代に置き換え、場所、歴史や⾃然、時代と対話をし続けることによって、伝統とコンテンポラリーを融合させ、また時には相互に刺激し挑発し合うような、他に類を⾒ないオリジナルな作品を⽣み出しています。
佐藤允にとってドローイングとペインティングは、⾃⾝や⾝の回りの存在を取り巻く⼈間の複雑な内情を記録し解釈するためのツールであり、印象的で正直、時には挑発的なイメージで個⼈的なテーマを探求しています。作品とは⾃分が⾃分のために、⽣きた⼈が⼈のために作り受け取るものだと考える佐藤は、「アートのためのアート」や新しさ、意味を求めることはしません。妄想、羞恥⼼、孤独、哀情、耽溺など、⼀般的に卑猥で不道徳とされる事柄であっても、精神の不可⽋な側⾯でもあるものから回避しようとはしません。⾃⾝の体験の⼼理学的な調査への直接的な⼊り⼝を開いています。
武田龍は、偶発的にできたシミや傷から喚起されるイメージを拾いながら絵画を制作しています。そこには彼が幼少期を過ごした田舎の森での経験や質が、視覚のみならず、聴覚や嗅覚、触覚を通して現れてくるといいます。また絵を描く行為をしばしば発掘に例える武田にとって、絵画は言語化することや分類することで失われてしまった無意識の領域をもう一度掘り起こす行為でもあります。
舘⿐則孝は、⽇本古来の⽂化的に価値のある部分と、現代の要素を組み合わせることで、新たな視点と世界観を提⽰します。俯瞰的な視野を持ちつつ、詳細を徹底的に掘り下げる。それが⼯芸的な⼿仕事で精緻に完成された作品として表現されます。歴史、そのなかで育まれてきた独特の美学、⽂化や思想。それらを再考することで未来への可能性を⽰す舘⿐の作品は世界で⾼く評価され、遊⼥が履く⾼下駄から着想を得た代表作《Heel-less Shoes》等の作品が、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されています。
2019年に三輪家当主として十三代 休雪を襲名した三輪休雪は、三輪家伝来の白萩釉を用い、萩焼の伝統を継承しながらもダイナミックで斬新な造形を取り入れた作風で、国内外で高く評価されています。刀を使って斬り出した土肌と三輪家伝来の白萩釉(休雪白)のコントラストで迫る茶碗《エル キャピタン》シリーズは、米国留学時代にヨセミテ国立公園で見た巨大な花崗岩などから得たインスピレーションを、萩の土、そして陶芸の伝統と統合して作られています。自然界のエネルギーと長い工芸の歴史を感じさせる十三代の作品は、その圧倒的な独創性で鑑賞者を魅了します。
アナ・ベナロヤは、筋⾁質で⼒強い⼥性像を描くことで、伝統的な⼥性像を覆します。⼥性の視点や欲望、クィア的感覚を表現し、コミックやカートゥーンに影響を受けた鮮やかでグラフィカルなスタイルを特徴とします。歪んだ⾝体や強調された筋⾁が、強さと個性、そして⼤胆な魅⼒を放つと同時に、優しさや遊び心の片鱗も窺わせ、女性らしさを再定義します。
ブルーノ・ポガチニク・トレモウとイヴァナ・ヴクシッチによる2人組のアーティスト・デュオ、TARWUKは、個々の作家としてではなく、自らを単一の存在として捉え、TARWUKをひとつの主体、「コンディション(状態)」そのものとして定義しています。ともに旧ユーゴスラビア、クロアチアの出身であり、社会主義体制の崩壊とポスト社会主義への移行、そして1990年代のクロアチア独立戦争という内戦下の不安定な状況を直接体験して育った経験は、TARWUKの制作における自己性への絶え間ない探究と、分裂・変容・重層的時間といった主題の基盤となっています。絶望や不安の中から生まれる幻想を、直感的な線や形で捉えたドローイング作品は、社会的緊張の中で形成された内面性を提示しています。
本展では約20点を展⽰します。この機会に是⾮ご⾼覧下さい。