会場
パシフィコ横浜
ブース番号
C02(Galleries)
S07(Sato ‘Meadow’)
出展作家
⻘⽊豊
沖潤子
桑⽥卓郎
武⽥陽介
武田龍
舘⿐則孝
朝長弘人
ダン・マッカーシー
KOSAKU KANECHIKAは、2025年9月12日(金)から9月14日(日)に開催されるアートフェア「Tokyo Gendai 2025」に、⻘⽊豊、沖潤子、桑⽥卓郎、武⽥陽介、武⽥龍、舘⿐則孝、朝長弘人、ダン・マッカーシーのギャラリー作家8名の展⽰で参加いたします。
⻘⽊豊は、絵画の視野を広げ、世界と絵画の関係とその新しい可能性を追究する制作活動を行っています。二次元と三次元を自由に行き来するような作品や、素材の物質性や制作方法自体、そして鑑賞者の視線の動きの相互反応にフォーカスした作品。刻々と変わる絵画の豊かな表情を、時間軸で瞬間としてとらえる試み。また特に⻘⽊は一貫して光へ – 光が時間軸、鑑賞者の存在、展⽰空間などの環境の要素に補完され、有機的に立ち上がるような豊かさを捉え、また一方で光の存在の自明性自体を問い直すこと – アプローチしてきました。実験と新たな発見のプロセスを繰り返すことによって、⻘⽊は常に絵画そのものを再発見しています。
沖潤子は、⽣命の痕跡を刻み込む作業として布に針⽬を重ねた作品を制作しています。下絵を描く事なしに直接布に刺していく独自の⽂様は、シンプルな技法でありながら「刺繍」という認識を裏切り、観る者の根源的な感覚を⽬覚めさせます。古い布や道具が経てきた時間、またその物語の積み重なりに、彼⼥自⾝の時間の堆積をも刻み込み紡ぎ上げることで、新たな⽣と偶然性を孕んだ作品を⽣み出します。存在してきたすべてのもの、過ぎ去ったが確かにあった時間。いくつもの時間の層を重ねることで、違う⾵景を見つけることが制作の核にあります。
桑⽥卓郎はこれまでに⽬にしたことのない、陶芸の枠を超える表現を発表し続け、ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で展覧会を開催しています。「梅華⽪」や「⽯爆」などの伝統的な陶芸の技術を独創的に表現する桑⽥の新しい視覚⾔語は、世界で⾼い評価を得ています。その核となる伝統表現は桑⽥がスタジオを構える美濃地方で⽣まれ、安⼟桃⼭時代に茶の湯の⽂化と共に脈々と継承されてきた“わびさび”や自然、不完全なものに美を見出した日本独自の陶芸美学です。桑⽥はその表現を現代に置き換え、場所、歴史や自然、時代と対話をし続けることによって、伝統とコンテンポラリーを融合させ、また時には相互に刺激し挑発し合うような、他に類を見ないオリジナルな作品を⽣み出しています。
武⽥陽介は、写真というメディウムの可能性を追求し続けています。代表作である《Digital Flare》シリーズは、デジタルカメラを強い光に向けた際に⽣じるフレアという現象を捉えています。その光とは、カメラのシステムがとらえた純粋な被写体ではなく、その被写体とシステムの関係性から⽣じ、カメラフレームの内部に溢れた光であり、それを作品化することを武⽥は「⼿段の形跡、存在の刻印」と表現します。つまり写真において、被写体はカメラシステムの外部にあり、客観化され、カメラはそれを写しとる、という前提を相対化しています。「⼿段(カメラ)と⽬的(被写体)の錯綜した関係性」をこそ被写体とする彼のコンセプトは、写真の歴史においてこれまでに行われてきた様々な実験に連なるものであるだけではなく、美しく、強度があり凝縮された作品を⽣み出しています。
武⽥龍は、偶発的にできたシミや傷から喚起されるイメージを拾いながら絵画を制作しています。そこには彼が幼少期を過ごした⽥舎の森での経験や質が、視覚のみならず、聴覚や嗅覚、触覚を通して現れてくるといいます。また絵を描く行為をしばしば発掘に例える武⽥にとって、絵画は⾔語化することや分類することで失われてしまった無意識の領域をもう一度掘り起こす行為でもあります。
舘⿐則孝は、日本古来の⽂化的に価値のある部分と、現代の要素を組み合わせることで、新たな視点と世界観を提⽰します。俯瞰的な視野を持ちつつ、詳細を徹底的に掘り下げる。それが⼯芸的な⼿仕事で精緻に完成された作品として表現されます。歴史、そのなかで育まれてきた独特の美学、⽂化や思想。それらを再考することで未来への可能性を⽰す舘⿐の作品は世界で⾼く評価され、遊⼥が履く⾼下駄から着想を得た代表作《Heel-less Shoes》等の作品が、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されています。
朝長弘人は、眼前のものがふと違って見える瞬間を捉え、それを絵画に起こそうとしています。前景と背景を交互に行き来したり、あるものを別のものとして解釈する際の視覚内の細かな移り変わり。これらは絵の具を重ね、拭い、跡を残していくという動作の繰り返しにも反映されています。作家の眼の中で起こる変化は、このように徐々に絵画における絵具の質へと変換され、画⾯に固定されます。自⾝に近しい対象を扱う朝長にとって、こうした運動は物理的、感情的な距離感を考察する場でもあります。描かれた絵画は固定されつつも再び動く予感を含んでおり、それは眼前の世界に対し作家自⾝が抱く寄る辺なさのあらわれでもあります。
ダン・マッカーシーはその30年以上のキャリアにおいて国際的に作品を発表しています。ペインティングやドローイングといった平⾯作品と並行し制作しているのが、彼のアイコン的な作品である顔のモチーフのセラミックの彫刻作品《Facepot》シリーズです。その鮮やかな色合い、豊かな表情、親しみやすさ、プリミティブな感覚、作家の⼿の跡を感じさせる直接性。それらの要素があいまって、視覚的側⾯にとどまらない、⾝体あるいは感情に働きかけるような鑑賞体験を鑑賞者に与えます。
また、大型インスタレーションブース「Sato」では、桑⽥卓郎とダン・マッカーシーによる二人展を開催します。「Dear Friend」と題した本展では、陶芸を制作する二人のアーティストの親密な対話に焦点を当てます。抽象と具象、日米それぞれの⽂化的背景を越えて、陶芸というメディアに対する彼らの異なる―しかしどこか通じ合う―アプローチを浮かび上がらせます。⼟との本能的で遊び心にあふれた、ダイナミックな出会いを体現する多彩な彫刻作品をご覧いただけます。
Galleriesブースでは約20点、インスタレーションブース「Sato」では約15点を展⽰いたします。この機会にぜひご⾼覧ください。