会場
Marina Bay Sands Expo and Convention Centre
ブース番号
FC11
アーティスト
青木豊
KOSAKU KANECHIKAは、2024年1月19日(金)から1月21日(日)に開催されるアートフェア「ART SG 2024」に、青木豊の個展で参加いたします。
⻘⽊豊は、光とその有機的で⽴体的な性質を追求するために、アクリル絵の具を厚く重ねた抽象作品を制作しています。⻘⽊は光を、世界の情報を露わにし、時間の指標でもある多⾯的な要素として観察しています。彼の絵画は平⾯と⽴体を⾃由に⾏き来し、素材や制作過程だけでなく、観客の視線との関係、時間の経過、展⽰空間の条件など、環境における特定の要素に反応します。
ミニマリズムやインタラクティブ・ペインティングの美学的・形式的発展の沿線上で展開される⻘⽊の作品は、伊勢神宮での御幌との出会いや、苔庭の横の階段を下りる印象的な体験など、⽇常⽣活の中の⼩さな瞬間から着想を得て制作されます。⻘⽊にとってこれらの環境は、絵画の存在を認識するための主要な知覚⼿段である「光」に焦点を当てることで、絵画の形⽽上学的な存在を直接的に洞察することを可能にします。
それゆえ、「境界」と「動き」は彼の作品に存在するテーマであり、最近の絵画では、それらをキャンバス上でどのように表現するかを探究しています。これは、存在と影、被写体と鑑賞者の関係を考察しながら、絵の具を厚く塗って喚起的なテクスチャーを⽣み出す、絵具を混ぜ合わせ、何度も押し返すという動作につながっています。⻘⽊の関⼼のひとつは、絵画と鑑賞者が対峙するときに起こるダイナミックな双⽅向のコミュニケーションにあります。絵画の⾒⽅は、空間によって規定される視野、絵画の前での動き⽅、あるいは与えられた環境における空間関係によって左右され、固定されたものであっても、絵画は無数の⾒え⽅をします。⼀⽅、鑑賞者は絵画を物理的に再配置し、その⾒え⽅を操作しようとすることができます。
⻘⽊は、視点によって⾵景がどのように変化するかを⽰し、絵画を構成するのは特定のイメージの象徴的な価値ではなく、むしろメディアの物質性や制作プロセスそのものであることを⽰唆しています。⻘⽊の絵画では、この知覚の戯れを可視化するために、絵具のボリュームが意図的に誇張されており、光は彼の作品に本質的な豊かさを与え、デジタル化する⽇常環境のなかで、⼈間としての様々な感性が呼び覚まされるような視覚体験を提供します。
本展では約20点を展示します。この機会に是非ご高覧ください。