会場
Hong Kong Convention and Exhibition Centre
1 Harbour Road, Wanchai Hong Kong
ブース番号
3D26
出展作家
沖潤子
KOSAKU KANECHIKAは、2024年3月28日(木)から3月30日(土)に開催されるアートフェア「Art Basel Hong Kong 2024」に、沖潤子の個展で参加いたします。
沖潤子は、生命の痕跡を刻み込む作業として布に針目を重ねた作品を制作しています。瞑想的で丹念な沖の制作は、使い古された布、様々な種類の糸、ファウンド・オブジェ、そして彼女自身の作品を用い、刺繍の構造化された慣習を否定しながらも、歴史、年代、物語、感情を縫い合わせるものです。彼女の刺繍は、抽象的なパターン、モチーフ、フォルムを形作り、作風の物質的、感情的な激しさを反映した独自の芸術的アイデンティティを形成しています。
装飾としての刺繍と実⽤としての刺繍の⼆⾯性、そして⽇本で歴史的に発展してきた刺繍技法の系譜に基づきながら、沖は、それらがどのような⽬的で使⽤され、どのような必然性から発展してきたかを意識しつつ、さまざまな⽅法を⾃由に取り⼊れます。下絵も明確な意図もなく、⼼の解き放たれるままに縫われる沖の刺繍は、実⽤的、装飾的なものから切り離され、奔放です。
彼⼥の作品はまた、アッサンブラージュの⼿法も取り⼊れており、その素材は、ボロ(繕ったり継ぎ合わせたりした織物)から100年以上前の⾵呂敷、窓枠、⽊製の⾦盥、ヴィンテージのデザイナーズ・ウェアに⾄るまで多岐にわたります。すべての素材に所有者、⽬的、時間性、地域性といった独⾃の物語が必然的に絡み合っており、沖はひとつひとつを⼀期⼀会の出会いとして扱います。これらの物が以前存在していたそれぞれの歴史と年代を慎重につなぎ合わせ、新たな⽣命と意味を持つ器となる作品を創り出します。作品が⽣まれた⽂化的、社会的背景を意識しながらも、彼⼥は個⼈的に素材と作品とつながりを保ち、共感することにこだわり続けています。
不完全で使い古された素材を扱うには、磨耗や⾊あせを受け⼊れることが必然となり、それは偶然の結び⽬やもつれ、裂け⽬を取り⼊れる沖の刺繍に対する姿勢ともつながっています。彼⼥は、割れた器の破⽚をつなぎ合わせて新しい作品を作る陶芸の「呼継ぎ」や、漆や⾦箔を使って陶磁器を繕う「⾦継ぎ」など、⽇本の伝統的な技法を取り⼊れており、どちらも歴史の継続や既存の物の再利⽤を主張しています。沖は、彼⼥の刺繍を既成のものと「まぜる」ことで、それらの物語を加え、過去と現在の共存を保とうとしています。
本展では約20点を展⽰します。この機会に是⾮ご⾼覧下さい。