EXHIBITION

沖潤子

「よびつぎ」

2021/6/5 Sat - 7/10 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、2021年6月5日から7月10日まで、沖潤子展「よびつぎ」を開催いたします。
沖潤子は、古い布や道具が経てきた時間、またその物語の積み重なりに、刺繍と彼女自身の時間の堆積を刻み込み、紡ぎ上げることで、新たな生と偶然性を孕んだ作品を発表してきました。山口県立萩美術館・浦上記念館で2021年3月まで、1年間展示された個展「anthology」では、全国から寄せられた7,000個あまりの糸巻きを用いて、新たに紡ぎ生まれたインスタレーション作品を展示。使いかけのまま時が止まった糸巻きは、沖によって新しい時間を刻み始め、それぞれが持つ物語はまた、展示空間で新しい物語へと続いていきました。
「よびつぎ」と題された本展では、この「anthology」で展示された作品に手を加えたものと、新作をあわせて発表します。沖は以下の言葉を寄せています。

 

昨春より1年間、山口県立萩美術館・浦上記念館茶室にて展示をしていた作品をこの夏あらためてご覧いただくことになった。
特別な1年を経て帰ってきた作品たちを眺めていたら、そこに新しい時間の層を重ねたくなった。ハサミを入れ針目を加えたらどんな風景が見えるだろうか。それを見ないことには前に進めない気がした。
できあがった作品は、新旧の時間が抱擁しあっているように私には見える。ここからまた歩きはじめるのだ。

 

よびつぎ(呼継ぎ)とは、古い窯跡を掘り返してみつけた膨大な破片の中から合うものを見つけて継ぎ合わせる陶芸の技法です。「時間の層を重ね違う風景をみつける」ことを目指す沖の作品からは、多様なものを取り込む寛容さと、荘厳な静けさの中の激しいエネルギ—を同時に感じます。
本展は「anthology」で紡がれた物語の続編ともいえます。この機会に是非ご高覧ください。

 



展覧会概要

展覧会名
沖潤子「よびつぎ」

展覧会会期
2021年6月5日(土) - 7月10日(土)

開廊時間
11:00 - 18:00
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




沖潤子(おき じゅんこ)

1963年浦和市生まれ。現在は鎌倉市を拠点に制作しています。主な個展に「Recycle」(ARTS & SCIENCE 青山、東京、2009)、「gris gris」(DEE’S HALL、東京、2016)、「月と蛹」(資生堂ギャラリー、東京、2017)、「JUNKO OKI」(2017)/「Truly Indispensable」(Office Baroque、ブリュッセル、2019)、「anthology」(山口県立萩美術館・浦上記念館、2020)が、主なグループ展に「コレクション展1 Nous ぬう」(金沢21世紀美術館、石川、2016)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018」(文翔館、山形、2018)、「現在地:未来の地図を描くために[2]」(金沢21世紀美術館、石川、2019)などがあります。2014年には、自身の撮影による作品集「PUNK」(文藝春秋)を刊行しました。作品は金沢21世紀美術館に収蔵されています。KOSAKU KANECHIKAでは2020年に引き続き4度目の展覧会となります。

WORKS

  • 抱擁1, 2021

  • 抱擁2, 2021

  • レモン1, 2021

  • レモン2, 2021

  • ホウセンカ1, 2021

  • ホウセンカ2, 2021

INSTALLATION VIEW