EXHIBITION

舘鼻則孝

「Under the Sun and Moon」

2024/11/22 Fri - 12/26 Thu

KOSAKU KANECHIKAでは、2024年11月22日から12月26日まで、舘鼻則孝展「Under the Sun and Moon」を開催いたします。

本展「Under the Sun and Moon」は、KOSAKU KANECHIKAでの舘鼻則孝の10度目の個展となり、過去の展覧会同様に、日本文化を現代の視点から再考することで得られた文化的な価値観が反映されています。本展の中心となる日光と月光をモチーフとした絵画作品や彫刻作品は、仏教における仏像の安置形式のひとつ「薬師三尊」の左右に位置する日光菩薩・月光菩薩の持つ「日輪」と「月輪」から着想を得て制作されたものです。また、本展は記念すべき10度目の個展だということもあり、KOSAKU KANECHIKA開設以前の作品から弊廊では未発表の作品まで、過去のアーカイブも展示公開いたします。

昨年の個展「Syncretism」から継続して探求の対象となっている「二項同体」という概念的な価値観は、西洋における「二項対立」という概念に対して、東洋的であり日本で独自に醸成されたものだと舘鼻は考えており、このような価値観を作品として可視化することで現代における再定義を試みています。
舘鼻の活動の軸にもなっている「Rethink」という創出のプロセスも同様に、現代に価値観を再定義することであり、一連の創作活動がリンクすることでまた新たな作品が生み出されています。

舘鼻は本展に際し、以下のように語っています。


「Under the Sun and Moon」は、今までの作家活動を見直し、制作してきた作品を展覧会として再構築することでできあがりました。
「死生観」を主題として自分の記憶を辿った《Camellia Fields》や自身を仏に見立てて骸骨を象った《Traces of a Continuing History》、来迎図から着想を得た《Descending Painting》など、日本独自の価値観を可視化することで作品として表現しました。それらを改めて俯瞰した視点で捉えてみると、自分に身近だったものや幼い頃から育ってきた環境が強く現れていると感じました。
作家活動は、記憶の中のもうひとりの自分との対話なのです。そのようなプロセスを辿り、過去と現在が交錯することで見えてくる景色が作品なのでしょう。
過去を振り返りつつ今までの創作をまとめて、次は少し違ったキャンバスに新しい景色を描きたい。


歴史と現在についての考察や研究、それを未来へとつなぐ作品制作の往還が、舘鼻の創造的実践の特徴ですが、今回は自身の作家活動をも俯瞰的にとらえて構成した総括的な展覧会であるといえます。本展では新作約30点とアーカイブ作品約15点を展示します。この機会にぜひご高覧ください。



展覧会概要

展覧会名
舘鼻則孝「Under the Sun and Moon」

展覧会会期
2024年11月22日(金) - 12月26日(木)
2024年11⽉22⽇(⾦) 17:00 - 19:00 オープニングレセプション

開廊時間
11:00 - 18:00
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




舘⿐則孝(たてはな のりたか)

1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)、個展「Distance」(山口県立萩美術館・ 浦上記念館、2023) 等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てた展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2024)の展覧会ディレクターを務めた。

WORKS

  • Descending Painting “Sunlight”, 2024

  • Descending Painting “Moonlight”, 2024

  • Sunlight, 2024

  • Descending Painting, 2024

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