展覧会名
武田龍 「鉱夫の霧」
展覧会会期
2026年7月31日(金) – 9月19日(土)
オープニングレセプション
2026年7月31日(金) 17:00 – 19:00
開廊時間
11:00 – 19:00
日・月・祝は休廊
夏季休廊
2026年8月13日(木) – 8月15日(土)
会場
KOSAKU KANECHIKA
〒104-0031
東京都中央区京橋1-7-1
TODA BUILDING 3F
03-3528-6720
kosakukanechika.com
入場無料
KOSAKU KANECHIKAでは、7月31日から9月19日まで京橋にて武田龍展「鉱夫の霧」を開催いたします。
武⽥⿓は、偶発的にできたシミや傷から喚起されるイメージを拾いながら絵画を制作しています。そこには彼が幼少期を過ごした⽥舎の森での経験や質が、視覚のみならず、聴覚や嗅覚、触覚を通して現れてくるといいます。また絵を描く⾏為をしばしば発掘に例える武⽥にとって、絵画は言語化することや分類することで失われてしまった無意識の領域をもう⼀度掘り起こす⾏為でもあります。
今回の展覧会では、近年継続してきたペインティングに加え、⾃⾝の制作において重要な位置を占めるセラミック作品を発表します。絵画を中⼼としながらも、壁掛けのレリーフや⽴体作品が展⽰空間に点在し、平⾯と⽴体の境界を横断する構成となります。
KOSAKU KANECHIKAでは2度目となる本展に際し、作家は以下のようなステートメントを寄せています。
本格的に個展の制作にはいる前に山陰地方を旅した。車窓から日本海側を眺めていると緑のなかにひときわ鮮やかな赤が突然あらわれる。集落の屋根に使われている石州瓦だ。山陰で古くから採掘される来待石から作る釉薬が光沢のある赤い色味をつくりだしている。屋根の四隅には大黒さまと呼ばれる神様の顔が彫られた鬼瓦がある。大黒さま(大黒天)といえば日本では七福神として知られるがそのルーツはヒンドゥー教の神だった。一方で出雲大社に祀られている大国の主(オオクニノヌシ)は日本神話に登場する神だが大国は(オオクニ)は大国(ダイコク)とも呼べることからいつの間にか大黒と混同されて一つの神様になってしまった。ルーツの異なる神が混ざり合い、土地の土石から形や色が作られる。そうした自然物の時間と人間の時間の混ざりあいが赤い瓦となって現れていた。鈍行の山陰線にゆられながら目の前の景色と自分の制作をぼんやりと重ねていた。
武田にとって陶芸は、単なる別ジャンルの試みではなく、自身の絵画制作に不可欠な身体性を再確認するための行為です。幼少期より粘土という素材に慣れ親しんできた武田は、「絵画を制作している時も、どこかで塑造している感覚がある」と言います。その感覚を裏付けるように、武田は絵画のためのドローイングとは別に、粘土を削った際の手応えやボリューム感を書き留めた独自のメモを記しています。そこには、完成図としてのイメージではなく、形を彫り出す際の純粋な手の感触が記録されています。
本展で発表されるセラミック作品は、こうした平面と立体の往還から生まれました。絵画における図像の読み解きと、360度の視点を伴う立体の物質感。両者が響き合う展示空間は、武田の表現をより多層的なものへと導いています。絵画と彫刻、あるいは描画と塑造。その境界を往還する身体性のなかで結実した本展は、武田龍の制作における新たな展開を示す機会となるでしょう。
本展では、新作のペインティングとセラミック作品、合わせて約15点を展示いたします。この機会に是非ご高覧ください。
武田龍(たけだ りゅう)
1989年茨城県⽣まれ。2016年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業。現在は東京を拠点に制作しています。主な個展に「Griffin」(LAVENDER OPENER CHAIR、東京、2023)、「Devonian Touch」(TAV Gallery、東京、2024)、「The Sixth Night」(The Green Gallery、ミルウォーキー、2025)、主なグループ展に「RANZANSTUDIO Presents」(ターナーギャラリー、東京、2019)、「どうぶつえん in TOKAS 2021」(TOKAS、東京、2021)、「HANNAH」(parcel、東京、2024)、「La Maison de Rendez-Vous」(Paul Soto Gallery、ニューヨーク、2026)があります。