EXHIBITION

桑田卓郎

「I’m Home, Tea Bowl」

2017/10/21 Sat - 12/2 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、10月21日より、桑田卓郎展「I’m Home, Tea Bowl」を開催いたします。
ニューヨーク、ロンドン、ブリュッセルなど、世界各地で個展を開催する桑田卓郎。彼の作品が世界中で鑑賞者を魅了するのは、その圧倒的なオリジナリティが、純粋な驚き、楽しさ、観ることによる自由と喜びを与えるからです。ビビッド、またメタリックな配色、そして一度見ると忘れられない、梅花皮(かいらぎ)や石爆(いしはぜ)といった陶芸の技術に基づきながらも、極めて独特の素材における表現。それらがつくりだす桑田の独自の視覚言語は、カテゴリーを超えて評価され、またそれと呼応するように、桑田自身の制作のスケールも大きくなってきています。2015年に草月会館で発表した大型彫刻作品のシリーズは、2016年にロンドンのAlison Jacques Galleryで、そして同じくロンドンのFrieze Sculpture 2017でも展示されました。ファインアートだけでなく、デザイン、ファッション、ダンスなどからもインスピレーションを受けているという桑田は、様々な分野のクリエイターにも同様に、インスピレーションを与えています。それが可能なのは、彼の制作が陶芸の伝統にしっかりと基づいているだけでなく、素材との徹底的な対話や、変化の激しいこの現代に何を表現するのか、ということをより重要視しているからであり、その桑田の姿勢こそが、インターナショナルな美術の世界で評価される作品を生み出しているのです。本展では、新作の茶碗や彫刻作品を約30点展示します。

 



展覧会について

本展のタイトル「I’m Home, Tea Bowl」は、桑田の近年の個展、「Dear Tea Bowl」(Salon 94、ニューヨーク、2015)、「From Tea Bowl」(Alison Jacques Gallery、ロンドン、2016)、 「Good Morning, Tea Bowl」(Pierre Marie Giraud、ブリュッセル、2017)に引き続き、茶碗との対話を示唆しています。桑田はこれまでも、茶碗の制作との関係からの発展として、立体作品や茶碗形の彫刻を制作してきました。今回は比喩的にも実際にも、国外を旅し自国に帰ってきた作家が、長年向き合ってきた茶碗に対し、少し客観的な視点から語りかけています。

 

「茶碗に対して語り続ける自分は何者なのか、これからどこへ行くのか。何を考え、どう変化していくのか。この時代を感じながらの、旅の途中という様な感覚。」

 

こう桑田は語ります。海外で作品がどう受け取られるか、特に日本国内では機能性が意味付けられている茶碗が、海外では純粋に作品として、現代美術の文脈で自然に評価されるということ。それは桑田に新たな視点を与えるとともに、彼の制作の中核にあるもの——素材との対話、そして時代を反映した作品を作ること——を、より深化させています。
Matthew Mcleanは「Vitamin C: Clay and Ceramic in Contemporary Art」の中で、桑田の作品について以下のように述べています。

 

伝統に深く根ざしていながらも、圧倒的に革新的。入念な意図により作られていながらも自然を彷彿とさせる。暴力的なまでの独自性を持ちながらも、目を奪われるような美しさをもつ。これらの矛盾は、パラドックスに満ちた現代をまさに反映している。

 

鑑賞者が桑田の作品を見る時に味わう、純粋な喜びや驚きは、作家自身が制作においてそれを感じているからこそ与えられます。伝統に基づきながらも現在を反映し、自由と可能性に満ちた桑田の作品はまさにコンテンポラリーだといえます。旅の途中であるという現在の桑田の表現を、是非ご高覧下さい。

 



展覧会概要

展覧会名
桑田卓郎「I’m Home, Tea Bowl」

展覧会会期
2017年10月21日(土) - 12月2日(土)
10月21日(土) 18:00 - 20:00 オープニングレセプション

開廊時間
11:00 - 18:00(火・水・木・土)
11:00 - 20:00(金)
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




桑田卓郎(くわた たくろう)

1981年広島県生まれ。2001年に京都嵯峨芸術大学短期大学部を卒業後、2002年に陶芸家の財満進氏に師事、2007年に多治見市陶磁器意匠研究所を修了し、現在は岐阜県土岐市に工房を構えて制作しています。ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で展覧会を開催、また主なグループ展に「工芸未来派」(金沢21世紀美術館、2012)、「Japanese Kōgei | Future Forward」(the Museum of Arts and Design、ニューヨーク、2015)、「村上隆のスーパーフラット現代陶芸考」(十和田市現代美術館、青森、2017)があります。10月8日まで開催のFrieze Sculpture 2017にて作品を展示しました。作品はルベル・コレクション、パームスプリングス美術館、金沢21世紀美術館、ミシガン大学美術館などに収蔵されています。10月からシャングリ・ラ ホテル東京とBMWとのコラボレーション「Shangri-La Art Car by Takuro Kuwata with BMW i3」にて、桑田の作品を使用した「ラッピングカー」が発表されるなど、コラボレーションワークも発表。また桑田の作品は、Phaidon社から出版されたVitamin C: Clay and Ceramic in Contemporary Artに掲載されています。

WORKS

  • 茶垸, 2017

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