EXHIBITION

佐藤允

「111 / トリプルワン」

2022/1/22 Sat - 2/26 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、2022年1月22日から2月26日まで、佐藤允展「111 / トリプルワン」を開催いたします。
佐藤允は、描くことによって自ら、人、そして世界を理解し、またコミュニケートしています。過剰ともいえるような緻密な鉛筆の線描写や独特の筆致によって、オブセッション、恐怖、恋愛などを描きます。見えるもの、見えざるもの。現実と非現実。それらは入り混じり、ペインティング、ドローイング、立体的な箱型のペインティング、インスタレーションなど、様々な形をとりながら溢れ続けます。
制作において、佐藤は「アートのためのアート」であるとか、新しさや意味を求めるといったことを目的にしてきませんでした。私たちの多くが、解らないまま避けてしまったり、自分の奥に持っていても蓋をし、背を向けてしまっているものに対し、正面から向き合い、描いてきました。
本展「111 / トリプルワン」では、佐藤は自身のこれまでよりも一段と深い部分と向き合っています。
彼は以下のステートメントを寄せています。

 

僕には忘れたい人がいた。
医師を頼り、恋人を頼り、友人を頼った。
忘れられないまま10年以上経って、忘れられないということがわかった。
111とは、僕が考えた儀式の名前だ。
2021年の1月1日の夜の僕は、どうしようもない気持ちだった。皇居外周をイヤーホンで音楽を聞きながら散歩をした。人を好きになることは不可抗力だから、結ばれなければ、ただただ苦しむ他にない。
この世には天文学的な数の悲しいラブソングが散らばっているのだから、こんな気持ちを持つのは僕だけではないと言い聞かせても、苦しいのだ。もしもこころを胸から取り出せたなら、いじくって何もなかったことにしたい。胸の奥に溜まった膿の中でくすぶっている希望が僕を逃してくれない。
iPodからは、ベートーヴェンの111番のピアノソナタが流れていた。
ベートーヴェンを僕の中で殺してしまおう。いつかあなたが、僕のベッドに横たわっていたあの記憶も殺してしまおう。
過去に描いた恋愛の題材を新しい話にすり替えてしまおう。
過去の記憶を一つ一つ拾って、話を壊して描き変えるこの儀式をトリプルワンと名付けた。
生きづらさを感じるとき、絵を描くことがあって、よかったと思う。
この儀式の完成したあかつきには、二人が出会ったことすら、なくなるのだ。
もう、ない。

 

佐藤のいう「儀式」によって残された作品は、鮮烈でとても直裁であり、闇や痛みをも感じさせます。一方で、その「儀式」によって絵の中に閉じ込められた記憶は、永遠の命を与えられ、美しさを帯びて鑑賞者の胸の奥に語りかけます。
本展では31点の新作ペインティングを展示します。この機会に是非ご高覧ください。

 



展覧会概要

展覧会名
佐藤允「111 / トリプルワン」

展覧会会期
2022年1月22日(土)- 2月26日(土)

開廊時間
11:00 - 18:00
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




佐藤允(さとう あたる)

1986年千葉県生まれ、現在は東京を拠点に制作しています。2009年に京都造形大学芸術学部情報デザイン学科先端アートコースを卒業。2011年と2015 年にギャラリー小柳で個展を開催した他、NYやブリュッセルでも個展を開催。主なグループ展に「第8回光州ビエンナーレ」(2010)、「ヨコハマトリエンナーレ2011: OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―」(2011)、「Inside」(パレ・ド・トーキョー、2014)、「INTERPRETATIONS, TOKYO‐17世紀絵画が誘う現代の表現」(2019)、「堂島リバービエンナーレ2019」(2019)があります。作品は高橋コレクション、ルイ・ヴィトン・マルティエにパブリックコレクションとして収蔵されています。KOSAKU KANECHIKAでは2017年、2018年、2020年に続き4度目の個展となります。

WORKS

  • Best friend
    2021

  • COME ONE
    2021

  • 長谷雄草紙
    2022

  • Come to daddy
    2021

  • 私はピアノ
    2021

  • Insérer
    2021

  • Insere
    2021

  • 落ちる
    2021

  • 1日
    2022

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