EXHIBITION

舘鼻則孝

「Beyond the Vanishing Point」

2018/10/20 Sat - 12/1 Sat

KOSAKU KANECHIKAでは、10月20日より舘鼻則孝展「Beyond the Vanishing Point」を開催いたします。2017年3月のギャラリーオープンに際する個展以来、KOSAKU KANECHIKAでは2回目の個展となります。
大学の卒業制作で発表し代表作となる「ヒールレスシューズ」がレディー・ガガの目にとまり、専属のシューメイカーとなったことで脚光を浴びた舘鼻則孝は、時代との相互関係で変化する自身を体現するような、多様な制作活動をしています。「古典と現代」を軸に、日本のアイデンティティ、文化的に価値のある部分と、現代の要素をコラボレーションさせることで、未来への道すじを表現します。
俯瞰的な視野と、詳細を徹底的に掘り下げる批判的視点の両方を持ち合わせた自身の思考を支えるキーワードとして、舘鼻は「消失点(Vanishing Point)」を今回の展覧会のタイトルとしました。舘鼻は以下のステートメントを寄せています。

 

「消失点」の探求は、私の創作活動の中でも大きな役割を担っている。それは、自分と他人、記憶と現実、そして生と死などの様々な主題に対して一対の視点を定め、作品がその境界線を示す。消失点の向こう側に立つもうひとりの自分への興味が作品を生み出す原動力であり、作品はもうひとりの自分と向き合うための装置なのかもしれない。

 

本展は全て新作で構成されます。新シリーズ「Vanishing Point Series」、「Cloud Painting Series」、「Void Sculpture Series」を中心に、代表作のヒールレスシューズ、ヘアピンシリーズからも新作を展示します。

 



展覧会について

本展のメインとなる「Vanishing Point Series」について、舘鼻は以下のように述べています。

 

ルネサンス時代の絵画における一点透視図法の消失点は誰の視点によるものなのかという疑問を十代の頃に抱いた。宗教画の中心にいるイエスの存在を象徴的に捉えたものであることは明確だが、日本の絵画における視点はどうだろうか。二次元的に様式化された日本の絵画には綿密に計算された遠近法は存在しないが、逆遠近法と呼ばれる視点が存在する。その逆遠近法を宗教画の一点透視図法と比較してみると、消失点が画面内の中心に位置する宗教画に対して、日本の逆遠近法の絵画では消失点が画面外にあるようにも見受けられる。それでは、その消失点は誰の視点なのか。
また、洛中洛外図屏風のように雲で覆われ見下ろされた俯瞰図は誰の視点によるものなのか。元来、雲は仏の乗り物として来迎図などで描かれてきたモチーフであり、言わば生と死[天と地]の境界線を暗示している。また、それは紫雲(しうん)と呼ばれ吉兆の象徴でもある。第二次世界大戦時には、紫雲という日本軍偵察機が存在した。これも吉兆にあやかる意が込められていると想像する。

 

また、「Void Sculpture Series」では、フランスの哲学者ロラン・バルトの「表徴の帝国」に導かれ、意味から切り離された日本独自の記号文化について探求しています。

 

ロラン・バルトの「表徴の帝国」にもあるように、日本の中心に位置する皇居は都市の中の虚(うろ)とも言うべき記号化された存在として、日本のハイコンテクストカルチャーの象徴と言うことができる。アニミズムにおける「依り代(よりしろ)」や「神籬(ひもろぎ)」という言葉が日本にはあるが、これらは神域を意味している。また、姿を持たないそれらは全て形代(かたしろ)としての身代わりによって示される。したがって、それらは虚[void]によって常に表現されているということになる。

 

「いかにもこの都市は中心をもっている。だが、その中心は空虚である。」
― ロラン・バルト「表徴の帝国」より抜粋

 

本展では同シリーズより、日本屈指の刀匠として知られる河内國平とのコラボレーションにより制作された彫刻作品を展示します。
舘鼻の作品の魅力の一つは、作品自体の圧倒的な存在感、完成度の裏に、歴史、文化、思想にまたがる深い世界の広がりがあることです。鑑賞者はまず作品に視覚的に惹きつけられ、そして様々な方向への想像、知的冒険に誘われます。
常に新しい視点で過去、現在、未来を探求する舘鼻の新作シリーズを是非ご高覧下さい。

 



展覧会概要

展覧会名
舘鼻則孝「Beyond the Vanishing Point」

展覧会会期
2018年10月20日(土) − 12月1日(土)
10月20日(土)18:00 − 20:00 オープニングレセプション

開廊時間
11:00 - 18:00(火・水・木・土)
11:00 - 20:00(金)
日・月・祝は休廊

会場
KOSAKU KANECHIKA
〒140-0002
東京都品川区東品川1-33-10
TERRADA Art Complex 5F
03-6712-3346
kosakukanechika.com

入場無料




舘鼻則孝(たてはな のりたか)

1985 年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館ほか国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)等で作品を発表。また2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催するなど、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。2018年9月14日から3日間、東京・九段「旧山口萬吉邸」にて個展「NORITAKA TATEHANA RETHINK―舘鼻則孝と香りの日本文化―」を開催した。

WORKS

  • Heel-less Shoes, 2018

  • Heel-less Shoes, 2018

  • Heel-less Shoes (Lady Pointe), 2018

  • Heel-less Shoes, 2018

  • Heel-less Shoes, 2018

  • Heel-less Shoes, 2018

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